菊炭の里

菊炭と里山を未来につなぐ植樹会レポート

その日は抜けるような青空で始まりました。
山笑う季節、桜はみごとに今日が満開。みなさんをお迎えする準備が整った菊炭の里です。

今日の植樹会は、実は少し盛りだくさんのプログラム。植樹会にかまど炊きごはんと山カレーは今や看板メニュー。そこに初めての試みの「Air茶室」が山でスタンバイしています。
本日の演題の横断幕、いかがでしょう?

さとやま創造館に大勢の方がいらっしゃいました。お一人で参加の方、お友達を誘って参加の方、子どもさんを連れてご家族で参加の方等、大阪市や神戸市など遠方からも足を運んでくださいました。実は、この日の一番遠い方はなんと東京から!
距離で測るものではありませんが、みなさんがそれだけの時間を割いて来てくださるのは、本当にうれしい限りです。
植樹会開会のごあいさつを菊炭の里の嶌会長から。
みなさん、本日のご参加ありがとうございます。植樹と初の試みのAir茶室など豊富な(タイトな?)プログラムです。くれぐれもケガのないように気をつけて、一日を楽しんでください。


まず、菊炭についての講演と、炭窯見学です。講師は、小谷さんと尾澤さん。2チームに分かれて同時に2つの窯の前で行いました。菊炭の歴史や製炭方法、茶道との関連等のお話と、実際に炭を焼いている窯を見ていただきました。
その後、みなさん荒木谷へ徒歩で移動します。

さっそく若い人達が荷物を運んでくれています。
能勢高校の生徒さん達です。今日の植樹に向けて昨年の12月には山のサムライ(菊炭クラブのみなさん)と一緒に地ごしらえもしてくれているのです。今日はスタッフも兼ねて朝早くから山に入って、準備してくれました。
能勢高校はSGHの指定校。グローカルな視点で地域課題に精力的に取り組んでいる、心強いパートナー。今や能勢高校との連携なくして菊炭の里の活動は語れません。(それくらい大事、ということですね)

さて、植樹は山のサムライのみなさんのリードで行います。まずは、安全講習。
山の作業は危険を伴います。足元が滑りそうな急な斜面もあちこちに。みなさん、くれぐれも気をつけてくださいね。
(植樹ポイントは山のサムライのみなさんがすでに下準備を。参加者の方が植えやすいように、といつも考えながら。本当にありがとうございます。)

山のサムライのみなさんが班ごとに植樹の方法を教えてくれています。苗を植えていると暑くなってきて、汗ばむほどのお天気。一人数本のクヌギ苗を植えて、全部で200本のクヌギ苗の植樹を完了します。
ポイントに苗を植えたら、防護ネットで囲んで結束バンドでしばって、鹿対策。これで大丈夫。
植えてくれた子ども達が大人になったら、この苗も立派なクヌギの木になって、菊炭になって、いつか誰かのお茶を沸かしてくれるのかもしれませんね。

ここが何かわかりますか?お察しのとおり、ここがAir茶室です。みなさん、想像してください。天空の茶室。なんだか心が洗われるような光景です。
柱にかかった短冊は「軽燕受風斜」。茶花はやまつつじ。

さあAir茶室へようこそ。
今日は植樹と茶室体験を両方できるようタイトな時間分け。(山が広いので、植樹リーダーや茶室担当者はトランシーバーでの連絡。うまく参加者を誘導して植樹と茶室体験を調整しているのです。)

亭主は人見操先生。菊炭を使って初炭から。
この日のために、先生は何度もシミュレーションしてくれていたのです。みなさんをお迎えするのに、準備を怠ってはいけない、と。参加者の中に茶道関係者の方も。お道具拝見。

4班に分かれて茶室体験も滞りなく終わることができました。
Air茶室の看板がかかっているよしずの裏は水屋。人見先生の他二人の方がお手前を補助して下さり、菊炭の里スタッフも慣れない水屋で大奮闘。
今回の茶室は子ども達も全員茶室入り。茶室にはいると、それまで遊んでいた子ども達が水を打ったように静かになり、先生のお茶をたてる姿に集中していました。
改めてお茶の力に感服です。

茶室を下からみると…。
丸太の骨組みが見えますね。この茶室は1か月前から菊炭の里のメンバーが大きな木を伐って、水平を保つように工夫をして並べて板をはって、前日に畳を8枚敷きました!完全に手作りです。(その後には腰痛も…)菊炭の里の「やればできる!」にはいつもビックリです。

植樹会と言えば、山カレー。遅くなりましたが、やっと登場です。

もちろん、ご飯はかまど炊き。今回はなんと、かまど3台でご飯を炊きました。このご飯の匂いをかいだら、たまりませんね。菊炭の里のご飯はいつもかまど炊き。みなさんのご飯への期待を背負っているので、手を抜くことはできません。

かまどご飯とカレー作りはいつも元古さんがリーダー。こんな美味しいご飯とカレーが時間通りきちんとできるのも、元古さんの愛情スパイス。

おや、いずこからかドローン!上空から楽しい写真を撮ってくれています。いい記念写真撮ってくれるのかな…。(その写真は最後に)

荒木谷での作業も終わり、片付けを済ませ、誰もが「何か持って降りるよー!」と声かけ。みんなで手分けして荷物を持って山を下りました。一日を終え、いつの間にか大きな家族のよう。

三々五々、さとやま創造館へ帰って来ました。
ベジタブルパークさんの人気のお米ジャムやハーブソルト、また菊炭焙煎珈琲のドリップパックを購入したり、アンケートを書いたり、あちらこちらで話に花が咲いたり、と思い思いに過ごしました。
それから、吉水さんが参加者のみなさんへのお土産にサフィニアを90苗育ててくれていました!うれしいサプライズです。お家で色とりどりの花が咲くのが楽しみです。
グリーンウッドワークコーナーも設置。物を作る時間はなかったけれど、子ども達には大人気。初めてみるシェービングホース(削り馬)の乗り心地はどうかな?今度は何か作ってみたいね。
能勢高校生のみなさん。今日は朝早くから準備に来てくれてありがとうございました。いつも元気をくれる能勢高生諸君、今年もよろしく!
あっという間に過ぎた一日でした。
菊炭の里、山のリーダー美谷さんから終わりの挨拶です。
みなさん、お疲れ様でした。今日は本当に最高の一日でした。無事に終われたことを感謝しつつ、また次回もここでお会いしましょう!

最後にドローンの写真と集合写真です。みなさんの笑顔が日に映えて最高ですね!

今回参加して下さったみなさん、これからも長いお付き合いをよろしくお願いします。そういえば、小谷さんが言っていました。「みなさん、もう菊炭の里のメンバーですよ!」

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